「格安SIM」の存在も広く知られ、アンケートによる認知度も9割程度ということですのが、実際に利用している人は2割程度と言われています。
「格安SIMを利用すると毎月の支払代金が安くなる」とは聞いているものの、実際、格安SIMについてはよくわからない、というのが実態だろうと思います。
そこで、格安SIMのメリット、デメリットについての概略というか、要点を大まかに整理してみます。
- 料金が安くて、わかりやすい
- 各MVNO独自のサービスが色々あり、選択肢が多い
- 余ったデータを翌月に繰り越せる
- 通信速度が遅い傾向あり
- キャリアメールが使えなくなる
- 通話料金が高くなる(長電話が多い場合)
- 店舗が少ない
- 事前に動作確認済みのスマホ端末かどうか調べる必要がある
- スマホ端末の初期設定が必要
- クレジットカード決済のみ対応のMVNOがほとんど
- LINEのID検索ができない
格安SIMのメリット 3
1. 格安SIMの最大のメリットは「料金が安い」、そして「わかりやすい」
格安SIMの最大のメリットは料金が安いことに尽きます。
大手キャリアのドコモ、au、ソフトバンクでであれば、月額のスマホ代が7000円ほどの人が多いと思いますが、格安SIMですと1500円程度にまで安くできます。格安SIM会社のキャンペーン期間中なら、月平均数百円で1年間利用できるケースもあります。
このように、格安SIMの最大のメリットは料金の安さにあります。
また料金体系がシンプルであることが多く、キャリアに比べてわかりやすいです。
2. 各MVNO(格安SIM会社)の独自のサービスがあり、選択肢が多い
格安SIMを運営しているMVNO各社には、大手キャリアにはないサービスを提供しています。
mineo (マイネオ)は余ったパケットをユーザー全員で共有できる「フリータンク」があります。また、BIGLOBEモバイルでは、「エンタメフリー・フリーオプション」でパケットを気にしないでYouTube等の映像・音楽が楽しみ放題オプションが用意されています。LINEモバイルでも同様のプランもあります。
それぞれ自分に合ったMVNO、プランを数多くの中から選択できます。
3. 余ったパケットデータを翌月に持ち越せる
格安SIMでは、各社当たり前のサービスとなっていますが、余ったデータが持ち越せるので、無駄がかなり減ります。mineoでは、ちょっとした工夫で無期限に持ち越すこともできるので本当に無駄がなくなります。
また、格安SIM各社においては、ギガ数の変更であれば毎月無料で行えるところも多く便利です。
格安SIMのデメリット 9
1.通信速度が遅い傾向あり
格安SIMを提供しているMVNOは、大手キャリアの通信回線の一部帯域を借りて、それを自社のユーザーにサービス提供しています。そのため、同時にデータ通信をおこなうユーザーが多くなる時間帯(特に昼と夕方)は、通信速度が低下する傾向にあります。
もちろん、全ての格安SIMで同じという訳ではありません。キャリアでも混雑時間帯、混雑場所によってスピードが変わるように、MVNOごとのユーザー数や帯域幅によって速度低下の程度は違いますが、キャリアより顕著に現れてくると考えてよいでしょう。
ただ通信速度があまりにも遅ければユーザーを失うことになるので、MVNO各社とも回線増強を行っています。
通信速度が低下している状態では、高画質の動画視聴は難しいですが、LINEトークやメッセージのやり取りする程度であれば影響は感じないでしょう。
実際に私も現在数社の格安SIMを利用していますが、特にスピードが遅いと感じたことはありません。地方都市に住んでいるからかもしれませんが……。
(ただ、格安SIMでもキャリア並、時間帯や場所によっては、キャリア以上のスピードが出るMVNOもあります。)
2.キャリアメールが使えなくなる
docomo、au、SoftBankなどの大手キャリアを使っていた人が格安SIM(MVNO)にすると、キャリアメールが使えなくなります。キャリアメールではキャリア以外からのメールをブロックする機能がありますので、相手に自分のメールアドレスがブロックされないように設定してもらう必要があります、特にガラケーを使っている相手なら必要です。
キャリアメールを使える格安SIMもある
キャリアメールが利用できるMVNOもあります。UQ mobileが有料(200円)ですが、使うことができます。また、Y!mobile(ワイモバイル)も無料でキャリアメールが利用できます(ワイモバイルは実際はMVNOではなく、キャリアなのですが、料金が安いのでMVNOとして認知されることが多い)。
ネットバンクでキャリアメールが必要になることがある
ネット銀行だけではないのですが、一部ネットサービスでキャリアメールが必要なサービスがあるようです。
有名どころは、ゆうちょダイレクト、イオン銀行、楽天銀行です。
ゆうちょ銀行では、セキュリティ向上のため、ワンタイムパスワード送付用および取扱確認メールに、携帯電話・スマートフォンのメールアドレス(@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@au.com、@softbank.ne.jpなど)を1つ以上登録いただくことを推奨しています。当行が推奨する「スマートフォン・携帯電話のメールアドレス」をご登録いただきますと、ご登録のお客さま限定サービスをご利用いただけます。
引用元
http://www.jp-bank.japanpost.jp/direct/pc/mailadd/dr_pc_ml_apply.html
ただ、キャリアメールでなくても、楽天モバイル、mineo、fiimo から付与されるメアドでも「ゆうちょダイレクト」はOKです。
3. 通話料金が高くなる(長電話が多い場合)
大手キャリアでは、24時間かけ放題のオプションが用意されているのが一般的ですが、格安SIMでは、24時間かけ放題オプションがほとんどのMVNOで提供されていません。
3分かけ放題、5分かけ放題、10分かけ放題は用意されていて、ほどんどの人はこれで十分とは思いますが、その時間を超えた場合は、30秒20円又は30秒10円程度の料金が加算されます。
どうしても長電話になってしまう人は、QTモバイル、Y!mobileが24時間かけ放題オプションを用意しています。イオンモバイルでも、IP電話(050~で始まる番号)ですが、24時間かけ放題オプションが用意されています。
ユニークなサービスとしては、OCNモバイルONEの「トップ3かけ放題」というのがあります。特定の相手との長電話をよくする方は、その月の国内通話料上位3番号の通話料が0円になるオプションです。
4. 店舗が少ない
格安SIMを提供しているMVNOで店頭サービスを大手キャリア並に展開している事業者はありません。格安で提供するために店舗家賃や人件費等を抑えているのでやむを得ません。イオンモバイルやUQモバイルなどは実店舗が存在しますが、キャリアショップには及びません。
一般的にMVNOとのやり取りはウェブか電話ですが、有償で自宅訪問によるサポートもあります。最近では公式サイト上でチャットによるサポートを受けられる事業者も増えてきていますし、ビデオチャットでサポートしてくれるものもあります。
キャリアショップでの手取り足取りのフォローが必要な場合は格安SIMに乗り換えるのはオススメしませんが、機種変更の時にしかキャリアショップに行かないような人であれば、格安SIMに乗り換えるのは特に問題ないと思います。
5. 事前に動作確認済みのスマホ端末かどうか調べる必要がある
格安SIMに乗り換える前に、必ずチェックしなければいけないのが、その格安SIMと手持ちのスマホ端末との組み合わせで問題なく動作するかどうか。
大手キャリアであれば、そこで販売されているスマホ端末であれば問題ないのですが、自分が持っている端末を利用したい場合、事前に各MVNOの公式サイトで確認しましょう。 各MVNOの公式サイトには、動作確認端末の一覧を確認できるページが必ず用意されています。
6. スマホ端末の初期設定が必要
格安SIMをスマホ端末に挿入するだけでは、データ通信を行えません。端末設定でAPN(アクセスポイント名)を変更しなければ通信できません。iPhoneではAPN構成プロファイルをダウンロード・インストールする必要があります。しかしそれほど難しいものではありません。アンドロイドも、いくつかの項目にアルファベットを入力するだけなので特に心配する必要はないかもしれません。
7. キャリア独自のサービスが使えなくなる
キャリア独自のサービスは利用が出来なくなります。例えば、キャリア決済や年齢認証サービス、auスマートパスなどが利用できなくなってしまいます。au Walletなどの金融サービスも回線契約者向けのサービスとなっています。貯まっているポイントなどがあれば、もったいないので格安SIMに乗り換える前に消化してしまいましょう。
ただ、ドコモの提供する一部のサービスは数多くキャリアフリー化されており、ドコモの回線契約がなくても「dアカウント」(旧「docomo ID」)があれば利用できます。「dマガジン」や「dアニメストア」、「dTV」、「dミュージック」などdアカウント対応サービスが多数提供されています。新たにdアカウントを取得して利用することも簡単です。
8. クレジットカード決済のみ対応のMVNOがほとんど
月額料金の支払い方法がクレジットカード決済のみというMVNOが一般的です。銀行口座振替やデビットカードなどに対応しているMVNOはあまりありません。格安SIMに乗り換えるためには申込み者本人のクレジットカードが必須だと考えておいたほうが良いでしょう。
一部対応しているMVNOを紹介しますが、mineoは光回線を利用している人のみ対応ということで、 各社それぞれ条件があるようです。
口座振替 | デビットカード | |
---|---|---|
楽天モバイル | ○ | ○ |
OCN モバイル ONE | ○ | ○ |
mineo | ○ | ○ |
UQモバイル | ○ | × |
ワイモバイル | ○ | × |
OCNモバイルONEは店舗とWEB申込みではクレジットカードのみの選択となりますが、電話で口座振替の用紙を郵送してもらって返送すれば大丈夫のようです。
9. LINEのID検索ができない
LINEのID検索機能を利用する場合、原則としてキャリア提供の年齢確認サービスによって18歳以上であることを証明しなくてはなりません。そのため格安SIMではLINEのID検索機能を使うことができません。
ただし、「LINEモバイル」だけは例外です。LINEモバイルの契約時に年齢確認を行うために、キャリアの年齢確認が不要で、ID機能を使うことが可能です。
まとめ
いかがでしたか?
- とにかく、料金が安い方が良い。
- 通信速度は特に気にしない。ヘビーな使い方をしていない。
- キャリアメールは使わなくても何とかなる。
- 長電話はしない。通話はLINE等の通話アプリを使っている。
- スマホの設定等は設定ガイドを見れば何とかなる
- キャリア独自のサービスは特に必要ない。
- クレジットカードは持っている。
- LINEのID検索は必要ない。
たくさん該当する人ほど、格安SIMへの乗り換えに向いています。
家族が多ければ、本当に格安SIMは助かります。
使っていないiPhoneに格安SIMを挿して子ども用にしてしまえば、費用も最小限で済んでしまいます。
ぜひ参考にしてください。