登山をする人にとって、山間部や山小屋でスマホが電波をつかめるかどうかは、とても重要なことです。

最近よく耳にする「格安SIM・格安スマホ」。

「格安」という言葉が使われている通り月額料金が安いのでとても節約になるのですが、もし大手キャリアと比べて「対応エリア」が大きな違いがあれば、ちょっと不安です。

 特に「山間部」や「山小屋」なら、なおさら大事です。

 さらに、MVNO(格安SIM会社)が扱っているキャリア回線の種類は、ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線の3種類あるのですが、登山に強い回線ってあるんでしょうか? どの格安SIMを選ぶのが安全なんでしょうか?

 格安SIMを登山や山間部でも利用するための「格安SIM選びのポイント」をまとめてみました。参考になれば幸いです。

登山で使う格安SIMポイント①
格安SIMの「対応エリア」は大手キャリアと基本的に同じ

 MVNO(格安SIM会社)は、大手キャリアの回線を借りて事業を展開しています。基本的には格安SIMの対応エリアは大手キャリアと同じです。特に音声通話(3G、VOLTE)に関しては全く同じと言って良いです。

 ただ、データ通信(3G、4G、LTE)に関しては、各MVNO(格安SIM会社)の設備を経由していますので、必ずしもキャリアと全く同じとまでは言えませんが、基本的に同じと考えて良いと思います。

 基本的にdocomoがつながるエリアであれば、docomo回線を提供している格安SIMもつながりますし、SoftBankがつながるエリアであれば、SoftBank回線を提供している格安SIMもつながります。

格安SIMを提供しているMVNOの一部
docomo回線 mineo、OCNモバイルONE、楽天モバイル、IIJmio、イオンモバイル、NifMo、BIGLOBE mobile、LINE mobile、DMMモバイル、b-mobile、U-mobile、nuroモバイルなど
au回線 UQ mobile、IIJmio、mineo、BIGLOBE mobile、イオンモバイル、楽天モバイルなど
SoftBank回線 mineo、LINEモバイル、b-mobile S、U-mobile S、nuroモバイルなど

 注意点として、au回線の格安SIMは3Gデータ通信ができません。データ通信は4G、LTEのみとなります。また、auは2022年3月末で3Gサービスを終了しますので、3Gデータ通信だけでなく、3G通話も出来なくなります。

 これがどう影響するかということですが、4Gのみだとエリアは狭くなると思います。「対応エリアマップ」では4Gもカバーしていたとしても、特に山間部では「対応エリアマップ」通りに電波をつかめるかどうかは当てになりません。やはり、3Gと4Gの両方をカバーしているに越したことはありません。

 そして、au回線を使ったiPhone8以降での利用はすでに通話もすべて4G(VOLTE)になっています。

auの4G LTEエリア

 ただ、au以外のキャリアも3Gサービスを終了する方向にいくと思いますし、対応エリアも強化されていくに違いありません。

登山で使う格安SIMポイント②
格安スマホの「対応BAND(周波数帯)」をチェック する

大手3キャリアLTE/3G対応BAND(周波数帯)一覧表

 格安SIMの「対応エリア」は、キャリアと同じということでしたが、スマホがそのBAND(周波数帯)に対応していないと通信することができません。キャリアで購入したスマホを同じ回線の格安SIM(docomoスマホをdocomo回線の格安SIM)でそのまま利用する場合はあまり気にする必要はありませんが、他社スマホをSIMロック解除して利用したり、SIMフリースマホを利用する場合は対応バンドをチェックする必要があります。

 ちょっと専門的ですが、大手キャリアの対応BAND一覧表を見てみると、

バンド/周波数 docomo回線 SoftBank回線 au回線
  4G・LTE 3G 4G・LTE 3G 4G・LTE 3G
Band1/2.1GHz帯
Band3/1.7GHz帯        
Band6/800MHz帯          
Band8/900MHz帯
プラチナバンド
       
Band9/1.7GHz帯          
Band11/1.5GHz帯        
Band18/800MHz帯
プラチナバンド
       
Band19/800MHz帯
プラチナバンド

東名阪
     
Band21/1.5GHz帯          
Band26/800MHz帯          
Band28/700MHz帯
プラチナバンド
     
Band41/2.5GHz帯
TD-LTE
       
※バンド19はバンド6を内包 
※バンド26はバンド18を内包

 最も大事で外せないなバンドは、山間部でも電波が届くと言われている周波数帯700MHz帯~900MHz帯で、プラチナバンドとも言われています、    の部分です。

 スマートフォンがこの    部分に対応していることが必要になります。

SIMフリースマホは「対応Band」の確認を

 スマホの対応バンドは、スペック表などで確認することができます。

 通信方式や周波数帯(バンド)などの項目に対応しているバンドが書かれています。

 見当たらない場合は、スマホの端末名 対応バンド」等と検索すれば、探し出すことができます。

格安SIM「4G LTE」の重要「対応Band」は

 LTEの使用周波数帯についてですが、山間部での使用を目的とするのであれば、前述したように700~900MHzなどの低い周波数に対応していることが重要となります。

「4G LTE」 の山間部での必須「BAND帯」
  • ドコモ回線なら:バンド19
  • au回線なら  :バンド18/26
  • ソフトバンク回線なら:バンド8

格安SIM「3G」の重要「対応Band」は

 次に3G回線の使用周波数帯についてですが、ドコモ、ソフトバンクの3G回線はW-CDMA(UMTS)という規格のものを使っています。auはCDMA2000と別の規格です。

 3G回線についても、山間部で使用するのであれば4G LTEと同様800MHz、900MHzの低い周波数に対応していることが重要となります。

「3G」の山間部での必須「BAND帯」
  • ドコモ回線なら:バンド19/6
  • au回線なら  :バンド18
  • ソフトバンク回線なら:バンド8

登山で使う格安SIMポイント③
山間部ではドコモ回線の格安SIMが有利?

 結構古いデータ(2013年)なのですが、登山情報サイト「Yamakei Online」によると、日本百名山の山小屋における携帯電話の電波状況は、ドコモが優位といえる状況だということです。

 ただ、当時と違って現在は4G LTEが主流になっていますし、そのエリアも年々拡大しています。

 当時でも、すべての山でドコモが優位というわけではなく、auのみがつながるといった山小屋も存在していました。

 「ヤマレコ」においても、ドコモが一番安定しているとのことをコメント(2018年)しています。

 やはり、格安SIMにおいてもdocomo回線を利用するのが無難のようです。

 「docomo」と「ソフトバンク」では携帯が使える「登山道検索」ページがありますので、参考にしてみてください。「au」は登山道検索なるものは見つけることができませんでした。

携帯電話が使える登山道検索

ドコモ

ソフトバンク

 携帯電話の電波情報をマップで共有できるサイト「山の電波地図」においては、新着情報を追加しているので最新の情報をみることができます。

登山で使う格安SIMポイント④
どのMVNO(格安SIM会社)を選んだら良いか

 登山者達のアドバイスだとdocomo回線を選ぶのが一番良いということですが、ドコモ回線を提供している格安SIM会社(MVNO)は沢山あります。ほとんどのMVNOがdocomo回線を提供しています。

 そこで、選ぶ基準として「安定性」という基準で選んでみました。年間をとおして、障害が少ないMVNOが良いと思います。

障害が少ない安定したMVNO

① mineo

② IIJmio

 mineo(マイネオ)は、ドコモ、au、ソフトバンクの3回線を提供しているMVNOです。IIJmioはドコモ回線とau回線の2回線を提供しています。

 それぞれ、安定性というところで高く評価されている格安SIM会社です。

 登山においては、ドコモ回線が一番オススメではありますが、すべてをカバーしているわけではありません。au、ソフトバンク回線の電波の方が強いところもあるようです。

 最近の格安スマホは、SIMが2枚させる機種(DSDS、DSDV)が増えていますので、「docomo回線とau回線」、「docomo回線とSoftBank回線」の組み合わせでスマホに設定しておけば、より安全・安心な登山が楽しめるかもしれません。

 登山にむけたスマホ選びと格安SIM選びの参考になれば幸いです。

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